モンスター社員(問題社員)の放置は危険?弁護士が会社にとって放置するリスクを解説!

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モンスター社員(問題社員)の放置は危険?弁護士が会社にとって放置するリスクを解説

モンスター社員に関する相談例

①業務指示に従わない社員がいるが、対応方法がわからない。

②遅刻や欠勤を繰り返す従業員がいて、解雇したい。

③特定の従業員の言動で従業員全体のモチベーションが低下している。

モンスター社員(問題社員)とは?

 モンスター社員(問題社員)の明確な定義はありません。ただ、経営者の皆様から、以下のような社員(従業員)について、相談を受けることが多くあります。

①成長意欲がないため、学ぶ姿勢がなく、変わろうとしない。

②すぐに他人のせいにして、他人に責任を押し付ける。

③自分の能力が認識できず、将来への影響や他人の気持ちを理解できない。

④自分の行動に問題があると認識できないため、注意や指導を行っても改善されない。

⑤成果を意識せず、自己満足や自分の利益のみを追及する。

 持続的な成長を実現しようとする会社では、モンスター社員(問題社員)の存在は、成長スピードを停滞させ、経営者や他の従業員のモチベーションを低下させる等大きな障壁となります。

 もちろん、企業(経営者)の責務として、従業員が働きやすい職場を作り、労働環境を改善することは必要です。

 ただ、労働環境を改善し、持続的な成長を実現するためには、会社だけではなく、従業員も一緒に変わっていかなければなりません。成長し続けること(変わり続けること)は、企業や経営者だけでなく、従業員にも求められる時代です。

モンスター社員(問題社員)の問題が他人事ではないこと

 モンスター社員(問題社員)の問題は、自分の会社には関係がないと考える経営者の方がいるかもしれません。

 もっとも、労働人口や生産年齢人口が減少し、物価の高騰に伴い給与条件等の引き上げが求められ、採用難に陥っている業界が増えているのも事実です。

 人を採用できない、採用をはじめても応募が来ないと実感している会社や経営者の方も増えているのではないでしょうか。

 このようなとき、採用を急ぐあまり、十分な採用プロセスを経ずに安易に採用してしまい、結果として重大なトラブルを引き起こすケースがあります。

 また、ダイバーシティマネジメントが求められる現代では、個人の価値観も多様化しており、問題行動の判断が難しくなっています。この場合、経営者が主観的・直感的に判断してしまうと、その判断が批判を受け、問題がさらに深刻化してしまうこともあります。

 実際、モンスター社員(問題社員)への対応について法律事務所(弁護士)への相談も増えています。

 すべての会社や経営者にとって、モンスター社員(問題社員)の問題は決して他人事とはいえません。

 会社が持続的に成長していくためには、モンスター社員(問題社員)の問題・対応は避けて通ることはできません。

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モンスター社員(問題社員)を放置するリスクとは?

経営者の負担が増加し、本質的な経営に専念できず、売上や利益が低下すること

 モンスター社員(問題社員)への対応は、誰もがやりたくない業務でもあるため、経営者が直接対応しなければならないこともあります。しかも、モンスター社員(問題社員)の身勝手な言動に振り回されることも多く、通常の業務と比較すると、精神的なストレスも大きいといえます。

 さらに、モンスター社員(問題社員)の言動が内部(対内的)だけでなく、外部(対外的)にも影響してしまう場合、会社の信用やブランドが低下します。経営者は、低下した信用やブランドの回復に努めなければなりません。

 そのため、モンスター社員(問題社員)への対応を放置する場合、経営者の負担が増加してしまい、本質的な経営に専念できず、売上や利益が低下するという弊害が生じます。

他の従業員のモチベーションが低下し、優秀な人材が離職すること

 モンスター社員(問題社員)の言動は、常識では理解できない部分も多く、他の従業員にとっても精神的なストレスが増加します。

 また、他の従業員がモンスター社員(問題社員)の対応を迫られると、生産性が低下するとともに、他の従業員のモチベーションを大きく低下させてしまいます。

 さらに、モンスター社員(問題社員)は、他の従業員とのトラブルも多く、理不尽に他人を傷つけ、追い詰めてしまうこともあります。

 会社が組織としてモンスター社員(問題社員)の問題を放置する場合、会社(経営者)の対応も非難され、優秀な人材が離職しようと考えるきっかけとなります。

会社の事業計画の実行に支障をきたし、時間・費用・労力が増加し、生産性が低下すること

 モンスター社員(問題社員)の傾向として、「変わろうとしない」、「他人が悪く、自分は悪くない」、「自分がよければいい」という考えがあるため、社会の変化に対応するため、会社がこれまでと違う事業計画を策定し、実行しようとするとき、身勝手な批判や反対意見を述べることがあります。

 この言動は、自己中心的で、他人や将来への影響を理解せず、行われるため、全く的外れなときも多々あります。

 この場合でも、対話(コミュニケーション)を大切に行い、従業員全体の理解を得て、進めていくことも大切ですが、時間・費用・労力は確実に増加し、生産性の低下や判断の遅れにつながります。 特に、現代社会では、ITやDXの積極的な取組みが必須となっており、管理業務の効率化や生産性の向上が求められます。モンスター社員(問題社員)の反対によって、この取り組みが遅れてしまうこともあり、時間・費用・労力が膨大となってしまうことがあります。

 会社(経営者)として、生産性を高め、従業員の労働条件を改善しようと考えていても、結果として、生産性を高めることができず、従業員の労働条件を改善できず、時間・費用・労力だけが積み重なってしまうこともあります。

 この場合、会社にとっても、従業員にとっても、マイナス(デメリット)しかなく、全員が不利益を被っている状況が発生します。

モンスター社員(問題社員)を放置した際の具体的なトラブル

 モンスター社員(問題社員)を放置した際の具体的なトラブルには、以下のような例があります。

①モンスター社員(問題社員)が他の従業員とトラブルを起こし、他の従業員が退職してしまう。

②モンスター社員(問題社員)が取引先とトラブルを起こし、取引先から重要な取引(契約)を打ち切られ、売上が大幅に減少した。

③モンスター社員(問題社員)が経理業務のDX化に反対し、管理業務の生産性が改善されず、長時間労働が改善されない。

④モンスター社員(問題社員)が架空の出来事を作り出し、経営者や経営陣を攻撃し、非難する。

⑤モンスター社員(問題社員)への対応を曖昧にして、数年間放置していたところ、事業が厳しくなってきたため、モンスター社員(問題社員)に退職してもらおうとしたところ、裁判となり、巨額の賠償金を支払わなければならず、事業が継続できなくなった。

⑥モンスター社員(問題社員)が自分の能力・立場を勘違いしてしまい、責任範囲を超えて判断を行い、プロジェクトを頓挫させてしまった。

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モンスター社員(問題社員)に対して問題行動を丁寧に説明し、問題行動であることを理解してもらうこと

 モンスター社員(問題社員)の中には問題行動であることを理解していない方もいるため、まずは問題行動であることを丁寧に説明し、本人に問題行動であることを理解してもらう必要があります。モンスター社員(問題社員)であると思い込んでしまうと、このプロセスが無駄であると感じ、飛ばしてしまうことがありますが、丁寧に接することで問題が解決することもあります。

 また、このプロセスを省略すると、モンスター社員(問題社員)の不満感が高まり、退職してもらうときでも、深刻なトラブルに発展してしまうこともあります。

 もちろん、モンスター社員(問題社員)の中には、自分の行動に問題があると認識できない人もいるため、この場合は、別の方法を検討することも必要です。

 ただ、まずは、モンスター社員(問題社員)と決めつけず、問題行動を認識・理解してもらうというステップを忘れてはいけません。このプロセスの中で、会社の課題を解決できることもあります。

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解雇以外の選択肢も検討すること

 モンスター社員(問題社員)の中には法的手続を熟知しており、解雇処分を待ち、解雇されると、法的に争う従業員もいます。

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 また、日本の労働法では、解雇権濫用法理があって、厳しく解雇手続が判断されるため、裁判所で解雇が無効と判断され、高額の金銭(例えば、1000~2000万円)の支払を求められることもあります。

 モンスター社員(問題社員)であっても、直ちに解雇を判断せず、解雇以外の選択肢も検討する必要があります。

 ほとんどのケースでは、問題行動を丁寧に説明し、自らの問題行動を理解してもらうことによって、従業員本人も納得し、平和的に解決することも可能なので、まずは対話による解決を模索するべきです。

 もちろん、従業員が横領や悪質なハラスメント(パワハラ・セクハラ)を行うこともあり、このようなケースでは毅然とした対応が必要であり、懲戒解雇も含めて検討することになります。

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問題行動の具体的内容を記録化・証拠化すること

 問題行動が発生しても、主観的・恣意的に判断し、処分してしまうと、さらに事態が深刻化してしまうことがあります。そのため、問題行動と思われる言動が発生したときでも、問題行動の具体的内容を記録化・証拠化することが必要です。

 問題行動を記録化・証拠化しておかないと、万が一、労働裁判が発生したとき、会社側の主張が認められないことになってしまいます。主観的・恣意的な判断と言われないように正しく記録化し、証拠化しておく必要があります。

 直感的に問題行動と決めつけず、第三者の意見(弁護士等)を確認しながら、何が問題なのか、改善できないのか、仕組の問題ではないのかを検討することも大切です。

採用プロセスの見直し

 モンスター社員(問題社員)の価値観や姿勢を是正することは、現実的に難しいこともあり、丁寧に問題行動を説明しても、改善されないこともあります。つまり、教育や指導によっては、解決できないこともあります。

 残念ながら、このような事実を理解する必要があり、経営者としては、採用プロセスを見直し、会社の価値観を採用時にしっかりと伝え、間違った採用を減らす努力が必要となります。

 モンスター社員(問題社員)が発生してしまったとき、しっかりと採用プロセスを見直し、問題が起きた原因・課題を見直していくことが必要です。

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モンスター社員(問題社員)対応を弁護士に相談しないデメリット

 まず、モンスター社員(問題社員)の対応について、経営者側も感情的な対応をとってしまうこともあり、誤った手続を踏むと、労働裁判となり、結果として、巨額の賠償金を支払わなければならないこともあります。

 弁護士に相談していれば、冷静かつ客観的なアドバイスが可能であり、紛争・訴訟を回避できる可能性もあります。

 また、モンスター社員(問題社員)の対応について、経営者自身で対応する場合、経営者の負担が大きくなり、本質的な経営に専念できず、売上や利益も低下してしまうことがあります。しかも、経営者といっても、モンスター社員(問題社員)の対応について不慣れなこともあり、必ずしも正しい判断ができるとは限りません。

 さらに、モンスター社員(問題社員)の対応は、裁判になった後では遅く、初動がとても大切です。初動を間違わなければ、解決できることはたくさんあります。初動がとても大切であり、労力や費用を最小化するためにも、初期の段階で弁護士への相談も検討してください。

 モンスター社員(問題社員)の対応では、法的な判断が必要となることも多く、また、紛争・訴訟を回避するという視点も大切であり、労働法や紛争・訴訟解決に精通している弁護士に相談するメリットは十分にあります。

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弁護士によるモンスター社員(問題社員)の対応

雇用契約書・誓約書・就業規則の作成サポート

 問題行動が業務命令違反である場合、懲戒処分を行うためにも、雇用契約書、誓約書や就業規則において懲戒事由を明確に定めておくことが必要です。また、問題行動が会社にとって重大な影響を与えることを明確にするためにも雇用契約書、誓約書や就業規則の整備が必要不可欠です。

 弁護士は、企業(経営者)の立場で、労働条件の整備(雇用契約書・誓約書・就業規則の作成)をサポートします。

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モンスター社員(問題社員)の解決に向けたサポート

 弁護士は、モンスター社員(問題社員)の対応について、冷静かつ客観的に分析・アドバイスを行い、モンスター社員(問題社員)の解決に向けたサポートを行います。モンスター社員(問題社員)の対応について、経営者が1人で抱え込まず、経営者の立場に立って必要なアドバイス・サポートを行います。

懲戒処分に向けたアドバイス

 弁護士は、会社(経営者)の立場に立って、法的な視点から、懲戒処分に向けて、適切な手続を踏むことができるようにアドバイスを行います。また、会社(経営者)が懲戒処分の判断を行うに際して、リスクの種類や内容を分析し、アドバイスを行います。

 特に、問題行動を理由とする懲戒処分を行う場合、事実関係の確定や事後的な紛争に備えた証拠の確保も必要であり、関係者へのヒアリングや懲戒委員会への立会も含めて、弁護士はサポートできます。

 弁護士によるサポートによって、適切な手続を行いながら、リスクを踏まえた判断・アクションが可能となります。

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労働トラブルの窓口対応/代理交渉

 対象従業員との間で懲戒処分の有無や内容を含めてトラブルとなる場合、ケースによっては、弁護士に窓口対応や代理交渉を依頼することも検討するべきです。

 特に、労働者側代理人(弁護士)が就任した場合や労働組合との団体交渉が必要となる場合には、弁護士によるサポートが有効かつ効果的です。

 会社(経営者)の意向を尊重しながら、民事裁判等重大なリスクに発展する前に解決できるように最善を尽くします。

【コラム】労働問題を未然に防ぐ方法について弁護士が解説

問題行動を予防するための研修サポート

 問題行動を行ってしまった社員の中には、問題点を十分に理解できていない社員や知らなかった社員もいます。

 そのため、問題行動を事前に予防するため、また、再発を防止するためには、コンプライアンス研修やハラスメント研修が有効な手段となります。

 これらの研修は、CSR(企業の社会的責任)活動の一環ともいえ、コンプライアンスが強く求められる現代社会において、多くの企業が取り組んでいますし、その取り組みを社内外にアピールすることで、企業イメージを向上できます。コンプライアンス研修やハラスメント研修は、弁護士に依頼できますので、是非、ご相談ください。

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弁護士による就業規則のアドバイス

モンスター社員(問題社員)対応については弁護士にご相談を

 弁護士法人かける法律事務所では、顧問契約(企業法務)について、常時ご依頼を承っております。企業法務に精通した弁護士が、迅速かつ的確にトラブルの解決を実現します。お悩みの経営者の方は、まずは法律相談にお越しください。貴社のお悩みをお聞きし、必要なサービスをご提供いたします。

 顧問契約では、問題社員対応、未払い賃金対応、ハラスメント対応、団体交渉・労働組合対応、労働紛争(解雇、残業代、ハラスメント等)等の労働問題対応を行います。

 営業秘密や不正競争防止法違反に対応するコンプライアンス研修も引き受けていますので、是非一度お問い合わせください。

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Last Updated on 2024年7月2日 by この記事の執筆者 代表弁護士 細井 大輔

この記事の監修者

弁護士法人かける法律事務所 
代表弁護士 細井大輔

弁護士法人かける法律事務所では、経営者の皆様に寄り添い、「できない理由」ではなく、「どうすれば、できるのか」という視点から、日々挑戦し、具体的かつ実践的な解決プランを提案することで、お客様から選ばれるリーガルサービスを提供し、お客様の持続可能な成長に向けて貢献します。

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