労働審判とは?労務に精通した弁護士が解説

労働審判とは?

 弁護士法人かける法律事務所では、経営者の皆様に寄り添いながら、法律の専門家として最善の解決を目指し、経営者の皆様が経営に専念できるようにサポートします。

 

「従業員から労働審判を申し立てられたが、対応方法がわからない」
「労働審判のメリット・デメリットを知りたい」
「労働審判で証拠を提出してもいいかどうか判断できない」

 

 企業(使用者)と従業員の間で残業代トラブルや解雇トラブルが発生した場合、一般的には、使用者と従業員との間で交渉を行い、交渉を経ても合意ができない場合、民事訴訟において、どちらの言い分に理由があるかを判断(判決)してもらうことになります。

 この場合、従業員側から残業代を求める裁判や解雇無効を求める裁判を起こすことが一般的です。ただ、民事訴訟によって決着をつけることになると、ケースによっては1年や2年を超える審理期間となることもあり、企業側(使用者側)にも従業員側にも、手間やコストが非常に大きくなってしまいます。また、敗訴判決を受けると、経済的にも社内外に対する信用の観点からもデメリットですし、仮に勝訴判決を受けたとしても、控訴されると、紛争が長引き、労力・コストも増大します。

 そこで、労働トラブルの紛争では、紛争の迅速な解決を実現するために、「労働審判」という制度が法律で設けられています。

 労働審判では、労働審判官1人(裁判官)と労働審判員2人(労働関係の専門的な知識・経験を有する者)で構成される労働審判委員会によって、労使双方の意向を踏まえながら、柔軟に解決を目指すことになります。

 労働審判では、原則として3回以内の審判期日で終結することになります。審理期間は3か月前後といわれており、迅速かつ柔軟な解決が可能となります。

 労働審判は、2006年4月に開始された制度ですが、利用件数が増加しており、令和3年 司法統計年報(民事・行政編)によれば、全国で年間3,609件が申し立てられています。労働トラブルに起因して、労働審判に巻き込まれるリスクは、他人事ではありません。

 労働審判は、「専門性」、「迅速性」、「柔軟性」という特徴があり、労働トラブルが発生したときは、労働審判による解決も、適切な経営判断として選択肢の一つとして考えておく必要があります。

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労働審判の具体的手続とは?

申立て~第1回期日まで

 従業員側が裁判所に労働審判を申し立てた場合、従業員側が提出した申立書と証拠書類が企業側に送付されると同時に、第1回期日の指定の通知がされます(原則として申立てから40日以内の日時が指定されます)。この指定期日は原則として変更は認められませんが、期日指定の通知を受け取って概ね10日以内に期日変更の申立てをすれば、認められることもあります。

 また、第1回期日が通知されると同時に、答弁書の提出期限(多くは第1回期日の10日ないし1週間前まで)が定められます。

 労働審判では申立書や答弁書以外に事後的に補充の書面を提出することが原則認められないので、申立書への反論内容は、答弁書に書き尽くす必要があります。

 

第1回期日

 従業員側から提出された申立書と使用者側から提出された答弁書を基に、双方の主張や争点の整理がされます。なお、審理は、原則として非公開の法廷で行われます。

 また、双方の主張や整理が終わった後は、労働審判委員会から従業員本人や企業の代表者等に対し、事実関係等に関する口頭での質問がされます(これを「審尋」といいます。)。なので、事前にどのような質問がされる可能性があるのかをある程度想定し、準備しておく必要があります。

 これらの手続を経た上で、労働審判委員会が心証を形成することになり、その心証を踏まえて、調停での解決(話合いでの解決)ができないかを協議することが一般的な流れです。この協議の際は、一般的に、従業員側と企業側がお互いに入れ替わりながら、個別に労働審判官・労働審判員と話をして、それぞれの意向を確認することになります。なので、第1回期日では、使用者側の意向をしっかりと伝えるために、会社の代表者や関係人の出席が強く求められます。

 以上のように、第1回期日では主張の整理や事実関係の確認がされることにより、労働審判委員会の心証が形成され、調停に向けた話合いまで行われることも多いため、労働審判手続の中で最も重要な期日となります。そのため、第1回期日では、数時間という長時間の期日になることが多いです。

 第1回期日で調停が成立すれば、そこで労働審判は終了となります。

 

第2回期日以降

 第1回期日で調停が成立しない場合、第2回期日が設けられ、引き続き、調停成立に向けた話し合いが行われます。第2回期日で調停が成立しなかった場合も、同様に第3回期日が設けられます。第1回期日で調停が成立するケースは比較的少なく、第2回期日以降に調停成立となるケースが多いです。

 

第3回期日でも調停が成立しなかった場合

 この場合、原則として続行期日は定められず、労働審判委員会によって、審判(「判決」と同じようなものだと考えてください)が言い渡されます。

 この審判については、従業員側・企業側のどちらからも、2週間以内に異議を申し立てることができ、異議の申立てがなされた場合、労働審判は終了し、自動的に訴訟手続に移行することになります。

 

企業側の労働審判対応における3つのポイント

①冷静な経営判断

 労働トラブルでは、問題社員による問題行動に起因することもあり、従業員側の主張に納得できない場合や白黒をつけて決着をつけたいと考える経営者の皆様の立場も十分に理解できます。

 もっとも、ご存じのとおり、日本の労働法では、従業員が保護される場面も多く、民事裁判では、必ずしも企業側の主張が認められるとは限りません。また、民事裁判における判決では、敗訴リスクだけでなく、当事者の一方が控訴(不服申立て)すると、さらに紛争が長引き、過大なコストや負担が発生します。

 その反面、令和3年 司法統計年報(民事・行政編)によれば、労働審判申立事件のうち、約70%(2,661件)が調停で成立しています。これは、労働審判委員会も、公平・中立な立場で労働トラブルの解決を目指すとともに、経営者の皆様もメリット・デメリットを考慮し、冷静な経営判断を行っているためです。

 企業の持続的な成長のためにも、冷静な判断を行い、労働審判によって解決できないかどうかについて検討することがポイントとなります。

 

②迅速な対応

 従業員側から労働審判の申立てがされた場合、第1回期日までに概ね40日ほどの猶予しかなく、第1回期日の7~10日ほど前までに答弁書を提出する必要があります。また、答弁書を提出する段階では、提出する証拠の選定も含めて企業側の反論を尽くす必要があるので、迅速な対応が求められます。

 例えば、主張や証拠を後出ししてしまったり、主張が変遷すると、裁判所の心証が不利になることもあるため、早期に方針・主張や証拠を確定させたうえで労働審判に望む必要があります。そのため、労働審判では、他の裁判手続と比較しても、特に迅速な対応が求められます。

 

③主張や証拠の準備・選別

 労働審判では、第1回期日までに主張を提出する必要があり、早期に準備する必要があります。その一方で、会社の主張が二転三転してしまうと、説得力がなくなり、会社に不利な判断が行われてしまうことがあります。

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 また、提出するべき証拠を提出しなかったり、また、提出する必要がない証拠を提出してしまったりすると、会社に不利な判断が行われてしまうことがあります。

 労働審判でも、裁判所は、原則として、当事者から提出された主張や証拠に基づいて心証を形成し、判断するため、会社がどのような主張や証拠を準備し、選別するかどうかはとても重要です。この判断を間違ってしまうと、本来であれば、有利に進めることができる労働審判でも、不利な結果となってしまうことがあります。

 

弁護士による労働審判対応

①労働審判に代理人として対応

 代理人として労働審判に対応し、会社の負担を軽減しつつ、法律の専門家として適切な対応を行います。また、労働審判を有利に進めるために、労働審判への出席者や労働審判期日における回答内容にアドバイスを行います。

 

②労働審判期日へ出席

 労働審判期日に代理人として出席し、企業側に有利な解決となるように労働審判委員会と適切にコミュニケーションを行います。この期日において、法的判断を踏まえて、会社の考え方を整理し、主張します。

 

③主張書面の作成や証拠の準備・選別

 企業の皆様の意向を踏まえて、法律の専門家として適切な主張を書面(答弁書や主張書面)で作成し、労働審判を有利に進めるために証拠を準備し、選別します。労働審判では、当事者が提出した主張や証拠に基づいて原則として判断されるため、主張の・証拠の準備・選別はとても重要な作業です。

 

弁護士に依頼するメリット

メリット1 従業員の請求に対して適切な反論を行い、労働審判を有利に進める。

 労働審判では、労働法に関する専門的な法律・裁判例を踏まえた反論が必要になるため、専門知識が豊富な弁護士によって適切に反論をすることで、労働審判を有利に進めることができます。

 

メリット2 労働裁判を回避する。

 裁判(訴訟手続)の場合、時間的・金銭的コストが多く発生し、判決もどのような内容になるのか完全には予測できないことがあります。そこで、労働裁判による様々な負担・コストを回避するため、労働審判手続によって、妥当かつ早期の解決を実現します。

 

メリット3 経営者や人事担当者の負担が軽減され、本質的な業務に専念できます。

 労働審判は、スケジュール的にもタイトなものがあり、企業側が労働審判に不慣れな場合、企業側にとって負担が大きく、また、予期しない結論となってしまうことがあります。

 弁護士が代理人となって労働審判を進めることにより、経営者や人事担当者の負担を軽減し、本来の業務に専念してもらうことができます。

 

弁護士法人かける法律事務所では、顧問契約(企業法務)について、常時ご依頼を承っております。企業法務に精通した弁護士が、迅速かつ的確にトラブルの解決を実現します。お悩みの経営者の方は、まずは法律相談にお越しください。貴社のお悩みをお聞きし、必要なサービスをご提供いたします。

費用

1 労働審判の代理人活動 ①着手金  330,000円~
②出廷日当 55,000円/回
③報酬金  経済的利益の10%(税別)
2 主張書面の作成
3 証拠の選別・準備
4 労働審判期日への出席
5 労働審判の戦略・戦術のアドバイス

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    Last Updated on 2023年12月28日 by roumu-osaka.kakeru-law

    この記事の執筆者

    弁護士法人かける法律事務所 
    代表弁護士 細井大輔

    弁護士法人かける法律事務所では、経営者の皆様に寄り添い、「できない理由」ではなく、「どうすれば、できるのか」という視点から、日々挑戦し、具体的かつ実践的な解決プランを提案することで、お客様から選ばれるリーガルサービスを提供し、お客様の持続可能な成長に向けて貢献します。

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