労使紛争を解決したい!~労働問題の初動対応・防止方法について~

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弁護士による問題社員対応

労使紛争(労働トラブル)の具体例

①問題社員に対して教育・指導したところ、パワハラと言われている。

②従業員による不正が発覚し、懲戒解雇したところ、解雇が無効といわれている。

③労働時間をしっかりと管理できていなかったため、残業代を請求されている。

④就業規則を変更しようとしているが、一部の従業員から反対されている。

⑤ある日突然、会社内に労働組合が結成され、団体交渉を要求されている。

労使紛争(労働トラブル)がもたらす重大なリスク

 企業にとっても、従業員にとっても、労働トラブルは避けたいと考えているはずです。労働トラブルは望んで発生するものではありません。

 もっとも、多くの企業では、労働トラブルが、ある日突然、発生します。また、冷静な判断ができないまま、労働トラブルが深刻化してしまい、紛争・訴訟に発展し、企業に重大なリスクを生じさせることがあります。

 労働トラブルは、次のような重大なリスクがあります。

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経営者や人事担当者の負担の増加

 労働トラブルが発生してしまうと、そのトラブルを解決するため、経営者や人事担当者の皆様の負担が大きく増加します。

 特に、信頼している従業員との間でトラブルが生じると、精神的な負担も大きいといえます。また、トラブルに起因して調査が必要となったり、必要な書類を作成しなければならず、物理的な負担も増加します。労働トラブルに対応する労力・時間が増えてしまい、心身ともに疲労してしまいます。

生産性の低下

 労働トラブルが発生すると、経営者や人事担当者の皆様が本来の業務に専念することができなくなり、生産性が低下します。ケースによっては、重要な取引や売上を逃してしまいます。

 また、労働トラブルが他の従業員に波及してしまうこともあります。そうすると、職場全体が不安感に包まれ、業務全体の効率性が低下します。ケースによっては、労働トラブルをきっかけに、問題社員だけでなく、問題社員の周辺にいた従業員も離職してしまうこともあります。そうすると、新たに従業員を採用し、育成しなければならず、深刻な影響を与えますし、労働トラブルに起因してSNSや転職サイト等で風評被害を受け、採用・定着がうまく進まないこともあります。

 労働トラブルは、経営者、人事担当者、従業員の皆様にとって生産性を低下させ、重大な損害・リスクを発生させる原因となります。

経済的コストの増加

 労働トラブルが発生し、話し合いによって解決できず、民事裁判まで発展してしまうと、裁判費用(弁護士費用)が増加します。

 また、民事裁判は、1~2か月で終ることはなく、1年以上続く場合もあり、結果として裁判に敗訴してしまうと、大きな経済的コストが生じます。

 例えば、問題社員に対する解雇が必要であるとしても、その手続を間違えてしまうと、裁判で解雇が認められず、会社が高額の金銭(例えば、1000~2000万円)の支払が求められることもあります。

 また、退職した従業員から残業代請求で敗訴する場合、未払残業代に対して、退職日の翌日から支払日まで年14.6%の遅延損害金が認められてしまいますし(賃金の支払の確保等に関する法律6条1項)、残業代と同一額の「付加金」が認められるケースもあります。

風評被害による信用低下

 労働トラブルが発生すると、問題となる従業員がSNSで会社の信用を毀損する情報を発信したり、転職サイトに嫌がらせ目的で虚偽の情報を書き込むこともあります。また、労働トラブルから労働組合を結成し、労働組合サイトを立ち上げて、会社に対して執拗な攻撃を加えてくることもあります。

 労働トラブルを円満に解決しなければ、風評被害による信用低下のリスクを回避できません。

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労使紛争(労働トラブル)を未然に防ぐ方法

雇用契約書、誓約書や就業規則の作成

 労働トラブルが発生する原因の一つが、労働条件を明確に定めていないことにあります。労働条件を明確に定めていないため、従業員に不満を生じさせ、クレームが起きる原因となります。そのため、会社と従業員がそれぞれ守る職場のルールを定め、労働者が安心して働くことができる環境を整備することが必要です。

 労働条件を明確にするため、雇用契約書、誓約書や就業規則を作成することになります。

就業規則の主な内容:

1.始業・終業の時刻、休憩時間及び休暇

2.賃金に関する事項

3.退職/解雇事由に関する事項

4.安全及び衛生に関する事項

5.服務規律や懲戒処分の事由、内容及び手続

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労働法に従った手続を行うこと

 労働トラブルは、ある日突然発生したり、会社と従業員の立場・考え方の違いによって、従業員の主張が不合理と感じられるケースもあり、経営者の方の中には、冷静な判断ができないことがあります。

 そのため、経営者の直感で判断してしまい、労働法に従った手続を行わず、事後的に深刻な紛争を発生させてしまうことがあります。

 例えば、懲戒理由が明らかであるとしても、懲戒処分を行うためには、就業規則に規定する手続を行う必要があり、その手続に従わない場合、懲戒処分自体が無効になることもあります。

 労働法に従った手続を行わない場合、会社の主張が正しいとしても、その主張が認められないことがありますので、労働トラブルを解決するためには労働法に従った手続の実践が必要となります。

労使紛争(労働トラブル)によるリスクを正しく理解した経営判断

 問題社員に対する解雇が必要であるとしても、その手続を間違えてしまうと、解雇が認められず、会社が高額の金銭(例えば、1000~2000万円)の支払が求められることもあります。

 また、残業代や未払い賃金の消滅時効(請求期間)は2年間から5年(当面の間は3年)に延長されました。例えば、請求期間が3年となると、従業員1名につき、毎月8万円の未払い残業代が発生している場合、最大192万円(8万円×24か月)から最大288万円(8万円×36か月)となり、最大96万円/名の負担増となります。しかも、請求期間が5年となると、最大480万円(8万円×60か月)となり、最大280万円/名の負担増となります。

 さらに、労働法の改正により、2023年4月1日以降、大企業だけでなく、中小企業においても、月60時間超の残業割増賃金率が25%から50%に引き上げられました。

 経営者は、持続可能な事業活動を行うためにも、労働トラブルによるリスクを正しく理解した経営判断を行うことが必要となります。これによって労働トラブルによる深刻な影響を未然に防ぐことができます。

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弁護士による労使トラブル予防サポート

労働条件の整備(雇用契約書・誓約書・就業規則の作成)のサポート

 労働トラブルが起きないようにするためにも、労働条件を整備する必要があります。具体的には、企業のニーズや実情を把握して、雇用契約書、誓約書や就業規則・給与規定を法的な観点・枠組みを踏まえて作成しなければなりません。

 弁護士は、企業(経営者)の立場で、労働条件の整備(雇用契約書・誓約書・就業規則の作成)をサポートします。

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労働トラブルの解決に向けたアドバイス

 弁護士は、会社(経営者)の立場に立って、法的な視点から、適切な手続を踏むことができるようにアドバイスを行います。また、会社(経営者)が判断を行うに際して、リスクの種類や内容を分析し、アドバイスを行います。

 弁護士によるサポートによって、適切な手続を行いながら、リスクを踏まえた判断・アクションが可能となります。

具体例

1.懲戒処分を行う際に、その手続をアドバイスし、懲戒処分に必要となる書類を作成します。

2.就業規則や労働条件を変更するために必要な手続をアドバイスし、書類を作成します。

3.ハラスメント問題が発生したとき、その対応をアドバイスするとともに、調査やヒアリングをサポートします。

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労使トラブルの窓口対応/代理交渉

 労使トラブルが生じた場合、会社(経営者)の立場に立って、窓口対応や代理交渉を行います。従業員とのトラブル対応は、経営者や人事担当者の皆様にとって、精神的にも物理的にも大きな負担となりますので、その負担を軽減できます。また、労働者側代理人(弁護士)や労働組合との団体交渉でも、窓口対応・代理交渉が可能です。

 会社(経営者)の意向を尊重しながら、民事裁判等重大なリスクに発展する前に解決できるように最善を尽くします。

労使紛争を解決したい!~労働問題の初動対応・防止方法について~

労務問題については弁護士に相談を

 弁護士法人かける法律事務所では、顧問契約(企業法務)について、常時ご依頼を承っております。企業法務に精通した弁護士が、迅速かつ的確にトラブルの解決を実現します。お悩みの経営者の方は、まずは法律相談にお越しください。貴社のお悩みをお聞きし、必要なサービスをご提供いたします。

 顧問契約では、問題社員対応、未払い賃金対応、ハラスメント対応、団体交渉・労働組合対応、労働紛争(解雇、残業代、ハラスメント等)等の労働問題対応を行います。

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Last Updated on 2024年10月22日 by この記事の執筆者 代表弁護士 細井 大輔

この記事の監修者

弁護士法人かける法律事務所 
代表弁護士 細井大輔

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