はじめに|なぜ顧問弁護士選びで失敗が起きるのか
顧問弁護士は、企業の意思決定やリスク対応を支える重要な存在です。
しかし、実務上は「顧問契約を締結したものの、十分に活用できていない」というケースも少なくありません。
その主な原因は、契約前の検討不足にあります。
例えば、以下のようなケースが見受けられます。
- 面談を行わず、内容を十分に確認しないまま顧問契約を締結してしまった
- 知り合いや親族からの紹介という理由で、十分な説明を受けずに契約した
- 費用の安さだけで選び、企業法務の経験が十分でない弁護士と契約した
- 日頃の関係性(知人・交友関係)を優先して選んでしまった
このような場合、実際に相談を始めてから「想定していた内容と異なる」と感じることになり、結果として顧問契約が十分に機能しない可能性があります。
顧問弁護士は、「いざというときのため」に備えるだけの存在ではなく、
日常的に活用してこそ価値が発揮されるものです。
そのため、契約前の段階で、自社にとって適切な弁護士かどうかをしっかりと見極めることが重要となります。
よくある失敗① 相談しづらい
顧問契約を締結したものの、「気軽に相談できない」という問題は非常に多く見られます。
その主な原因の一つが、コミュニケーション手段のミスマッチです。
例えば、以下のようなケースがあります。
- メールのみの対応で、やり取りに時間がかかる
- 面談が前提となっており、気軽に相談しにくい
- チャットツールに対応しておらず、日常的な相談がしづらい
- 事前に資料を整えないと相談できず、簡単な確認すらしにくい
- 高圧的な対応や相談しにくい雰囲気があり、相談すること自体に心理的なハードルがある
このような場合、日常的な相談のハードルが高くなり、結果として顧問契約が十分に活用されなくなるおそれがあります。
顧問弁護士は、「何か大きな問題が起きたときに相談する存在」ではなく、 日々の業務の中で生じる小さな疑問や判断について、気軽に相談できることに大きな価値があります。
そのため、顧問弁護士を選ぶ際には、自社の業務スタイルに合ったコミュニケーション手段が利用できるか という点に加えて、 担当弁護士の人柄や対応姿勢が、自社(特に実際にやり取りを行う担当者)に合っているか という点も必ず確認する必要があります。
弁護士といっても、考え方やコミュニケーションスタイルには個人差があります。
実際に面談や打ち合わせを通じて、「相談しやすいか」「安心してやり取りできるか」を確認することが重要です。
なお、弁護士法人かける法律事務所では、メールに加えて、LINE・Chatwork・Slackなど、日常業務で利用されるコミュニケーションツールを活用した相談対応が可能です。また、コミュニケーション方法については、お客様のご希望や業務環境に応じて柔軟に対応しています。
よくある失敗② レスポンスが遅い
顧問弁護士に対する不満として多いのが、「返信が遅い」という点です。
実際に、以下のようなケースが見受けられます。
- 質問してから1週間以上返答がない
- 督促してようやく返信がある
- 対応時期や回答の見通しが示されない
このような状況では、企業側として適切なタイミングで判断を行うことができず、結果として意思決定が遅れる原因となります。
顧問契約の大きな価値は、必要なタイミングで、判断の方向性を確認できることにあります。
そのため重要なのは、単に「回答が早いかどうか」だけではなく、「いつまでに、どのような形で対応してもらえるのか」という見通しが示されるかどうかという点です。
仮にその場で即答が難しい場合であっても、
- いつまでに回答できるのか
- どの程度の検討時間が必要なのか
- 一次的な見解としてどのような方向性が考えられるのか
といった説明があるだけで、企業側は次の対応を検討することが可能となり、意思決定の質とスピードが大きく変わります。
一方で、1週間、2週間と連絡がない場合には、
- そもそも相談対応の体制が整っていない
- 担当弁護士の業務が過度に逼迫している
といった可能性も考えられます。
このような状況では、いざという場面で迅速な対応が期待できないおそれもあるため、顧問契約の本来の価値が十分に発揮されないことになります。
よくある失敗③ 現場理解がない
法律的には正しいものの、現場で実行できないアドバイスになってしまうケースも少なくありません。
例えば、以下のようなケースです。
- 理論的には正しいが、実務上は実現が難しい
- リスクの指摘にとどまり、具体的な対応方法が示されない
- 会社の事情や業務実態を踏まえない形式的な回答
このような場合、企業としては「何をどのように判断すべきか」が分からず、意思決定が停滞してしまいます。
企業法務において重要なのは、法律論だけでなく、現実に実行可能な選択肢を提示できることです。
企業の現場では、法的リスクだけでなく、
- 人員体制
- 業務の実態
- 取引先との関係性
といった様々な要素を踏まえて判断する必要があります。
そのため、弁護士には、単にリスクを指摘するだけでなく、現場の実情や事業内容を踏まえたうえで、現実的な対応の選択肢を提示できるかどうかが求められます。
弁護士によって考え方やスタンスは異なるため、実際の相談を通じて、柔軟に対応してくれるかどうかを見極めることが重要です。
よくある失敗④ 労務に弱い
企業における法律相談の中で、最も多いのが労務問題です。そのため、顧問弁護士を選ぶ際には、労務問題に対応できるかどうかは、最低限確認すべき重要なポイントといえます。
もっとも、「労務に詳しい」というだけでは十分ではありません。
重要なのは、以下の点です。
- 企業側の立場に立って、意思決定を支援できるか
- リスクを踏まえつつ、現実的な対応方針を示せるか
- 問題社員対応などについて、具体的な進め方まで踏み込めるか
実際には、
- 「解雇が有効か無効か」という結論だけが示される
- 一般論の説明にとどまり、具体的な対応が分からない
といったケースも見受けられます。
しかし企業としては、単に法的な結論を知るだけではなく、実務として、どのように進めるべきかという点まで含めたアドバイスが求められます。
労務問題は、対応を誤ると紛争に発展しやすく、企業経営にも大きな影響を与えます。そのため、実務対応まで見据えた助言ができる弁護士を選ぶことが重要です。
失敗しないためのチェックポイント
顧問弁護士選びで失敗しないためには、契約前の段階で、具体的な確認と整理を行うことが重要です。
特に、以下の点については、事前に確認しておくことをおすすめします。
- 実際に担当する弁護士と面談(対面・オンライン)を行っているか
- コミュニケーション手段が自社の業務スタイルに合っているか
- 対応スピードや返信方針(目安となる対応時間)について説明があるか
- 企業法務(特に労務分野)への対応経験があるか
- 抽象論にとどまらず、具体的な対応方針まで踏み込んだアドバイスが可能か
これらは、顧問契約を実際に活用できるかどうかを左右する重要なポイントです。
また、チェック項目を確認するだけでなく、 自社として、顧問弁護士に何を期待するのかを整理しておくことも欠かせません。
例えば、
- どの程度の頻度で相談が発生するのか
- 日常的な相談を中心とするのか、実務対応まで任せたいのか
- 社内に不足している法務機能をどの程度補いたいのか
といった点を明確にすることで、自社に適した顧問契約の形が見えてきます。
顧問弁護士は一律のサービスではなく、企業の状況やニーズによって最適な形が異なるものです。
そのため、料金や形式だけで判断するのではなく、自社の実情と照らし合わせながら総合的に検討することが、失敗を防ぐための重要なポイントとなります。
まとめ|顧問弁護士選びで重要な視点
顧問弁護士選びにおいては、価格や知名度だけで判断するのではなく、
- 実務に即した具体的なアドバイスが得られるか
- 日常的に相談しやすい体制が整っているか
- 企業の状況や事業内容を理解したうえで、継続的な支援が受けられるか
といった観点から、総合的に判断することが重要です。
顧問弁護士は、単なる外部の専門家ではなく、企業の意思決定を日常的に支えるパートナーです。
だからこそ、自社の状況や課題に合った弁護士を選ぶことが、リスクの低減だけでなく、企業の安定した成長にもつながります。
特に、労務問題や契約書対応、取引先とのトラブル、社内対応などは、日々の判断の積み重ねが重要です。早い段階で相談できる体制を整えておくことで、問題が大きくなる前に対応方針を検討しやすくなります。
顧問契約をご検討の方へ
弁護士法人かける法律事務所では、顧問契約の内容や活用方法について、ご説明の機会を設けております。
- 現在の顧問弁護士でよいか見直したい
- 自社に合った顧問契約の形を知りたい
- 具体的にどのような相談ができるのか確認したい
- 労務問題や契約書対応について、継続的に相談できる体制を整えたい
といった段階でも問題ございません。
まずは貴社の状況を丁寧にお伺いしたうえで、実務に即した現実的な活用方法をご提案いたします。
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